社長秘書室課長
礼儀長(れいぎちょう)
礼儀長:愛知県出身、名古屋市在住。 「年上や目上の人に対し、敬意をもって接する事を信念に、礼儀を重んじて、敬語を追求してます。」
シーン別敬語

相手を不快にさせない「断り方」

会社の上司や同僚からの誘いを断りたい。

でも断ったら相手に感じ悪く思われるだろうか?

礼儀長
礼儀長
いえそんなことはありません。

依頼ごと、頼まれごとを全て引き受けていてはあなたの時間も労力も、人的リソースもいくらあっても足りません。

ビジネスではいくら相手が得意先であっても、上司であっても断るという選択をせざるを得ない時があります。

礼儀長
礼儀長
心配しないでください。

大人なら、相手を不快にさせる事なく、関係を壊さずに「断る」ことができます。

ここでは相手を不快にさせない断り方をご紹介します。

状況に応じて使い分けられるよう、引き出しを増やしておくとよいですね。

いたしかねます

できない時に「できません」と言っては、相手に拒絶感や不快感を与えかねません。また語彙力としても乏しいですね。できない時は「~いたしかねます」と言い換えてみましょう。

  • それは承諸いたしかねます。
  • 返答いたしかねます。
  • ご回答いたしかねます。

 まことにおあいにくさまですが

相手の要求を断るときには、「あいにくですが」とクッション言葉を用い、前置き言葉を用いることで断りをやわらげる効果があります。特に目上や願客に対しては「あいにくですが」ではなく、敬語に置き換え「まことにおあいにくさまですが」を用いてみましょう。

  • まことにおあいにくさまですが、その日はすでに予定が入っております。
  • まことにおあいにくさまですが、現在品切れでございます。

急な差し支え(さしつかえ)ができまして

ドタキャンするときの敬語表現です。「急用ができて」と言い訳する人も多いと思いますが、「急な差し支え」と古風に言い換える事で、丁重になり、断りのみならず、謝罪の意を伝える事ができます。

  • 急な差支えができまして、まことに申し訳ございません。本日は途中退席させて頂きます。
  • 当日の連絡となってしまい、恐縮です。急な差支えができまして、本日の会議は欠席とさせて頂きます。

取り込んでいますので/手がふさがっていますので

相手が話しかけてきたとき、「いま、忙しいんですが」と言ってしまうと、相手は気を悪くし、今後あなたに話しかけるのを躊躇したり、「話を聞いてくれない人」などのレッテルを張られる恐れもあります。せめて「いま、取り込んでいますので」や「いま、手がふさがっていますので」などの話を聞くことができない状況を伝えた上で、断りを入れたいですね。

  • いま、取り込んでいますので、終わり次第ご連絡差し上げます。
  • いま、手がふさがっておりますので、後ほどお聞かせください。

礼儀長
礼儀長
訪問セールスや電話セールスを断るのにも、便利な言葉ですね。私の母は「いま、てんぷらを揚げてますので」と伝えて、訪問者を追い払っていました。

せっかくお誘いくださいましたのに

誘いを断られると、誘ったほうは拒絶されたような寂しさを味わうものです。そこで、断るときは、「せっかくのお誘いだけど」ではなく、「せっかっくお誘いくださいましたのに」の様に、丁重な言葉を使えるとよいですね。「丁寧な言葉」を用いる事で、相手も拒絶された気持ちにはならず、また次の機会に誘いたくなる事でしょう。

  • せっかくお誘いくださいましたのに、また次の機会に是非ともお願いします。

 

 お役に立てなくて

人に何か頼まれたとき「無理ですね」「知りません」「できません」「私は担当ではありません」のように、ぶっきらほうに答えるのは避けたいですね。「お役に立てなくて」と伝えれば相手もそれ以上お願いする気持ちは無くなり、他をあたってくれえるでしょう。相手の怒りを買わないように断るための常套句です。

  • お役にたてなくて本当に残念です。
  • お役にたてなくて申し訳ございません。

 

身に余るお話ですが

「身に余る」とは「身」は自分の身分、地位、処遇などで、自分の身分や業績、能力を超えてよすぎる、基準よりも「多い状態」「余っている状態」を言います。控えめな態度をとることで、謙虚な姿勢を示し、相手をたてつつも断るフレーズです。

  • 縁談の件、身に余るお話ですが、わたくしにはもったいないお話でございます。
  • 部長昇進について、身に余るお話ではありますが、謹んでご辞退申し上げます。

他にも「非常にありがたいお話ではございますが」「もったいないお話ではございますが」「非常にうれしいお話ではございますが」と置き換えて使うことができます。

しろくま礼儀長
しろくま礼儀長
断りの際は、二度と声をかけてもらえない覚悟が必要だな。

お話は承りましたが

「わかりました」を謙譲表現の「承(うけたまわ)りました」に換え、相手の言い分はわかったが、断る際のフレーズです。「お話は承りましたが」とワンクッション入れ、「いたしかねます」などと断りのセリフを続けます。

  • お話は承りましたが、ご返金は致しかねます。
  • お話は承りましたが、再発送は出来かねます。

ご事情はお察しいたしますが

相手が要求する事情もわかるが、断る際に用いるフレーズです。断りの言葉が続きますので「事情」を「ご事情」とし、「わかります」を「お察しいたします」にすると、丁寧な表現となり、敬意をこめられます。


  • ご事情はお察しいたしますが、保証期間外となりますので無償対応は出来かねます。
  • ご事情はお察しいたしますが、お役に立てません。

お気持ちはうれしいのですが

好意を示してくれた相手に対して断るのですから、「相手の気持ち」を「お気持ち」とすることで配慮したいですね。

  • お気持ちはうれしいのですが、受け取れません。お気持ちだけ頂戴します。
  • お気持ちはうれしいのですが、わたくしにはもったいないお話です。

 

お志(こころざし)はありがたいのですが

相手の厚意のことを「お志」と言います。相手の厚意·誘いなどを、断る際に「お志はありがたいのですが」のように応じると、敬意と謝意を込められます。

  • お志はありがたいのですが、当日は予定が入っており参加できません。
  • お志はありがたいのですが、お受け取りできません。

 

不本意でございますが

「不本意」とは自分の本当の気持ち、希望とは異なることです。相手の相手の期待に寄り添ってあげたいという姿勢を示した上で、断りを入れるときの定番フレーズです。

  • わたくしも誠に不本意でございますが、ご要望にはお応えできかねます。
  • 不本意ではありますが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。

考えさせていただいたのですが

相手の依頼や要望に対して、すぐに回答せず、少し時間を置いて返事をするときのフレーズです。相手を不快にさせないよう議譲語である「させていただく」を使い、丁重に応じます。

  • 考えさせていただいたのですが、採用は見送らせていただきます。
  • 考えさせていただいたのですが、このお話は白紙に戻させて頂きたく存じます。

ご遠慮申し上げます

目上の人や、あまり親しくない人からの誘いを断るときに使うフレーズです。

  • 今回はご遠慮申し上げます。
  • お声をかけていただき、ありがたいのですが、今回はご遠慮申し上げます。

見送らせていただきます

断るときの定番フレーズ。「見送る」を議譲語の「いただく」を使い、丁軍に断ります。

  • 今回は見送らせていただきます。
  • 社内検討した結果、見送らせていただくこととなりました。

どうかおやめください

相手に何かをやめるように求めるときは、「どうぞ」ではなく「どうか」で切り出すのが、正しい日本語です。

  • どうかおやめください。
  • どうかお控えください。

お心遣いをいただいても困ります

理由もなく金品やプレゼントを贈られたときなどに使うフレーズです。相手を拒否、拒絶するときほど、最上級の敬語を使うのが、大人の言葉づかいです。

  • 金品などは受け取れません。このように、お心遣いいただいても困りますので。

十二分(じゅうにぶん)にしていただきましたから

「十二分」とは「十分」よりもさらに「満足している」という意味があります。相手のさらなる申し出に対して断るとき「十分に満足」していることを伝える事で角が立ちません。

  • いえ結構です。もう十二分にしていただきましたから。
  • もう十二分にいただきましたから。ご馳走様でした。

ご心配には及びません

相手の気遣いや手助けに対して、断るフレーズです。「ご心配なく」では、いささかぞんざいです。丁重な表現を用いて断るのが礼儀です。

  • どうぞお気遣いなく。ご心配には及びません。

ご容教ください

「許しを請う(ゆるしをこう)」際のフレーズです。自分に非があるなどして「許し」をもらいたいわけですから、礼儀正しく丁重に伝えます。

  • 遅れて申し訳ございません。明日までには提出いたしますので、何卒ご容赦ください。
  • ご容赦くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

礼儀長
礼儀長
最後までブログ見て頂きありがとうございます。「人は変えられません。でも自分は変われます。」 礼儀であなたの品格を磨きましょう!