会社の上司や同僚からの誘いを断りたい。
でも断ったら相手に感じ悪く思われるだろうか?
依頼ごと、頼まれごとを全て引き受けていてはあなたの時間も労力も、人的リソースもいくらあっても足りません。
ビジネスではいくら相手が得意先であっても、上司であっても断るという選択をせざるを得ない時があります。
大人なら、相手を不快にさせる事なく、関係を壊さずに「断る」ことができます。
ここでは相手を不快にさせない断り方をご紹介します。
状況に応じて使い分けられるよう、引き出しを増やしておくとよいですね。
いたしかねます
できない時に「できません」と言っては、相手に拒絶感や不快感を与えかねません。また語彙力としても乏しいですね。できない時は「~
- それは承諸いたしかねます。
- 返答いたしかねます。
- ご回答いたしかねます。
まことにおあいにくさまですが
相手の要求を断るときには、「あいにくですが」
- まことにおあいにくさまですが、その日はすでに予定が入っております。
- まことにおあいにくさまですが、現在品切れでございます。
急な差し支え(さしつかえ)ができまして
ドタキャンするときの敬語表現です。「急用ができて」
- 急な差支えができまして、まことに申し訳ございません。本日は途中退席させて頂きます。
- 当日の連絡となってしまい、恐縮です。急な差支えができまして、本日の会議は欠席とさせて頂きます。
取り込んでいますので/手がふさがっていますので
相手が話しかけてきたとき、「いま、忙しいんですが」
- いま、取り込んでいますので、終わり次第ご連絡差し上げます。
- いま、手がふさがっておりますので、後ほどお聞かせください。
せっかくお誘いくださいましたのに
誘いを断られると、
- せっかくお誘いくださいましたのに、また次の機会に是非ともお願いします。
お役に立てなくて
人に何か頼まれたとき「
- お役にたてなくて本当に残念です。
- お役にたてなくて申し訳ございません。
身に余るお話ですが
「身に余る」とは「身」は自分の身分、地位、処遇などで、自分の身分や業績、能力を超えてよすぎる、基準よりも「多い状態」「余っている状態」を言います。控えめな態度をとることで、謙虚な姿勢を示し、相手をたてつつも断るフレーズです。
- 縁談の件、身に余るお話ですが、わたくしにはもったいないお話でございます。
- 部長昇進について、身に余るお話ではありますが、謹んでご辞退申し上げます。
他にも「非常にありがたいお話ではございますが」「もったいないお話ではございますが」「非常にうれしいお話ではございますが」と置き換えて使うことができます。
お話は承りましたが
「わかりました」を謙譲表現の「承(うけたまわ)りました」
- お話は承りましたが、ご返金は致しかねます。
- お話は承りましたが、再発送は出来かねます。
ご事情はお察しいたしますが
相手が要求する事情もわかるが、断る際に用いるフレーズです。断りの言葉が続きますので「事情」を「ご事情」とし、「わかります」を「
- ご事情はお察しいたしますが、保証期間外となりますので無償対応は出来かねます。
- ご事情はお察しいたしますが、お役に立てません。
お気持ちはうれしいのですが
好意を示してくれた相手に対して断るのですから、「相手の気持ち」を「お気持ち」とすることで配慮したいですね。
- お気持ちはうれしいのですが、受け取れません。お気持ちだけ頂戴します。
- お気持ちはうれしいのですが、わたくしにはもったいないお話です。
お志(こころざし)はありがたいのですが
相手の厚意のことを「お志」と言います。相手の厚意·誘いなどを、断る際に「
- お志はありがたいのですが、当日は予定が入っており参加できません。
- お志はありがたいのですが、お受け取りできません。
不本意でございますが
- わたくしも誠に不本意でございますが、ご要望にはお応えできかねます。
- 不本意ではありますが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
考えさせていただいたのですが
相手の依頼や要望に対して、すぐに回答せず、少し時間を置いて返事をするときのフレーズです。相手を不快にさせないよう議譲語である「
- 考えさせていただいたのですが、採用は見送らせていただきます。
- 考えさせていただいたのですが、このお話は白紙に戻させて頂きたく存じます。
ご遠慮申し上げます
目上の人や、あまり親しくない人からの誘いを断るときに使うフレーズです。
- 今回はご遠慮申し上げます。
- お声をかけていただき、
ありがたいのですが、今回はご遠慮申し上げます。
見送らせていただきます
断るときの定番フレーズ。「見送る」を議譲語の「いただく」を使い、
- 今回は見送らせていただきます。
- 社内検討した結果、見送らせていただくこととなりました。
どうかおやめください
相手に何かをやめるように求めるときは、「どうぞ」ではなく「
- どうかおやめください。
- どうかお控えください。
お心遣いをいただいても困ります
理由もなく金品やプレゼントを贈られたときなどに使うフレーズです。相手を拒否、拒絶するときほど、最上級の敬語を使うのが、大人の言葉づかいです。
- 金品などは受け取れません。このように、お心遣いいただいても困りますので。
十二分(じゅうにぶん)にしていただきましたから
「十二分」とは「十分」よりもさらに「満足している」という意味があります。相手のさらなる申し出に対して断るとき「十分に満足」していることを伝える事で角が立ちません。
- いえ結構です。もう十二分にしていただきましたから。
- もう十二分にいただきましたから。ご馳走様でした。
ご心配には及びません
相手の気遣いや手助けに対して、断るフレーズです。「ご心配なく」では、いささかぞんざいです。丁重な表現を用いて断るのが礼儀です。
どうぞお気遣いなく。ご心配には及びません。
ご容教ください
「許しを請う(ゆるしをこう)」際のフレーズです。自分に非があるなどして「許し」をもらいたいわけですから、礼儀正しく丁重に伝えます。
- 遅れて申し訳ございません。明日までには提出いたしますので、何卒ご容赦ください。
- ご容赦くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。