謙譲語

動作する人(目上の人や社外の人)を高める表現が「尊敬語」であるのに対して、目上の人や社外の人に自分自身の動作について話すときには、「謙譲語」を使います。

礼儀長
礼儀長
この「尊敬語」と「謙譲語」は両方敬語なのですが、違いがわかりますか?

この違いがわからず、普段から何気なく敬語を使えているつもりでいると、間違った敬語に気が付かず、相手に対して失礼な事はもちろん、あなたの教養としても正しい敬語が使えない人というレッテルを貼られ、恥ずかしい思いをする事になります。

しろくま礼儀長
しろくま礼儀長
間違った敬語を使っている人の実に多い事。

そんな人たちでも丁寧に敬語を話そうとしている点では、相手に対して少なからず敬意の姿勢は伝わるため、問題になるほどの失礼にはあたりませんが、一方で周りからも指摘されることも少ないため、自分では間違いに気づきにくいという点が、悲しい現実なのではないでしょうか。

敬語を学ぶ上での第一歩といっても過言ではありません。この違いを理解して、ここでは謙譲語について学び、習得しましょう。

謙譲語

謙譲語は「自分側の動作に使い、その動作の相手となる人を高める表現」と考えます。自分の動作に使って相手を高める言葉です。

礼儀長
礼儀長
平たく言うと 自分を下げることで、相手を高め、敬意を示すという事ですね。

ですので、自分ひとりで完結する動作については使えません。「私があなたをご案内する」とは言えても「私がタクシーをお降りする」とは言えません。

謙譲語にも、尊敬語と同様に特別な言い回しと、一般的な言い回しの2つがあります。特別な言い回しには、限りがありますので全て覚えましょう。

特別な言い回し

特別な言い回しでは、敬語になると言葉そのものの表現が変わります。

普通の動作 謙譲語
言う/話す 申し上げる
知る 存じ上げる
行く/聞く/尋ねる 伺う
行く/来る 参上する
訪ねる  上がる
会う お目にかかる
聞く/引き受ける 承る
食べる/飲む いただく
もらう いただく/賜る
与える/やる 差し上げる
知らせる お耳に入れる
見る 拝見する
思う 存じる
見せる お目にかかる/ご覧いただく/ご覧に入れる
推察する 拝察する
借りる 拝借する
読む 拝読する

 

一般的な言い回し①「お・ご〜する」

「お」または「ご」を動作を表す語の前につけます。

礼儀長
礼儀長
「お・ご〜いたす」とすると、さらに改まった表現になります。

普通の動作 謙譲語
聞く お聞きする
待つ お待ちする
連絡する ご連絡する
相談する ご相談する

一般的な言い回し②「お・ご〜いただく」

普通の動作 謙譲語
待つ お待ちいただく
利用する ご利用いただく/ご利用していただく

 

一般的な言い回し③「お・ご〜願う」

普通の動作 謙譲語
説明する ご説明願う
待つ お待ち願います
署名する ご署名願えますか

 

一般的な言い回し④「お・〜ていただく」「〜(さ)せていただく」

普通の動作 謙譲語
来る おいでいただく
話す 話していただく
報告する 報告させていただく