直木賞 受賞「塞王の楯」著作 今村翔吾を読破する。
歴史小説って普段使わない漢字が使われていたり、昔の言葉や表現が用いられていたりと、読むのにはちょっとハードルが高いと感じませんか?
知らない単語に遭遇する度に、ネットや辞書で調べていては手間と時間がかかり、小説を楽しむことができません。途中で読むのを諦めてしまったかたも多いかと思います。
わからない単語は、前後の文脈からイメージし、「読み飛ばす」という方法もアリだとは思います。でもそれではなんとなく読んだ気にはなるかもしれませんが、著者が描いた小説の世界を100%楽しめませんよね。
1ページに、2〜3文字程でも知らない単語があるとイメージがわかないものです。
しかし、心配ありません。
私が「読めない」、「意味がわからない」用語を抜粋し、章ごとにまとめましたので、事前に目を通せば小説の世界にすんなりと入っていくこと間違いなしです。
なんとなくイメージできるワードや、調べてもわからなかったワード、固有名詞、地名などは除いてます。また用語の紹介の順番違いや、重複などはご容赦ください。
用語の意味は、グーグル検索より主に「Oxford Languagesの定義」「コトバンク」「ウィキペディア」「Weblio辞書」「goo辞書」より引用しております。
序
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 慟哭 どうこく | 悲しみに耐えきれずに声を上げて泣くことである。慟哭の「慟」の字は身体を上下に動かして悲しむという意味があり、「哭」の字は大声で泣くという意味がある。慟哭は、特に悲しみの感情が大きいときに使われる言葉である。 |
| 眼窩 がんか | 眼球が入っている、骨でできた空間で、眼球とその支持構造を保護しています。 |
| 弛む ゆるむ | 勢いをそらすように、婉曲な表現をしたり、そしらぬようすをしたりする。 張りつめていた心がゆるむ。 物事の勢いが失われる。 |
| 羅刹 らせつ | 人を惑わし、また食うという魔物。悪魔。夜叉(やしゃ)と共に毘沙門天(びしゃもんてん)の眷属(けんぞく)とされる。 |
| 焔 ほむら | ほのお。 火炎。 転じて、心中に燃えたつ怨み、怒り、嫉妬、または欲望、情熱などのたとえ。 |
| 土塁 どるい | 敵や動物などの侵入を防ぐために築かれた、主に盛土による堤防状の防壁である。 |
| 櫓 やぐら | 城郭内に防御や物見のために建てられた仮設または常設の建築物である。 |
| 心許ない こころもとない | 頼りなく不安で、心が落ち着かないさま。気がかりだ。待ち遠しくていらいらするさま。じれったい。はっきりしない。ぼんやりしている。 |
| 謀叛 むほん | 臣下が、君主にそむいて兵をおこすこと。 |
| 御屋形 おやかた | 高貴な人の邸宅。 奉公先の屋敷。 大名、殿様など。 |
| 耳に胼胝ができる みみにたこができる | 同じことを何度も聞かされることをいう語。 耳たぼに胼胝。 |
| 逼迫 ひっぱく | 追い詰められて、ゆとりがない状態になること。 |
| 縋る すがる | つかまって寄り掛かる。「杖(つえ)に―」。とりつく。「袖に―」。転じて、たよりとする。 |
| 翳す かざす | 手に採った物、または手そのものを上げて、何かに差し掛ける、また、何かをおおうようにする。 |
| 年嵩 としかさ |
年齢が上なこと。その人。年上。高齢。
|
| 諸手 もろて | 両手。 |
| 固唾を呑む かたずをのむ | どうなる事かと心配し、息を凝らして成り行きを見守る様子。 |
| 耳朶 じだ | 耳たぶ。また単に、耳 |
| 呆気に取られる あっけにとられる | 思いもかけないことに出合って驚きあきれる。 また、どうしてよいかわないでぼんやりする。 |
| 銘々 めいめい | (「めんめん(面々)」の変化したもの) 一人一人別々に。 各自。 おのおの。 |
| 捲し立てる まくしたてる | 威勢よく続けざまにしゃべる。 |
| 怨嗟 えんさ | うらみなげくこと。 |
| 堪らない たまらない | こらえられない。 やりきれない。 たえがたい。 こらえられないほど程度がはなはだしい。 |
| 頽れる くずおれる | 気落ちする。体力や思考力が衰え弱る。衰弱する。 |
| 剣幕 けんまく | (怒ったりいきり立ったりした)ものすごい、荒々しい顔つき・態度。 |
| 気圧される けおされる | 相手の勢いに心理的におされる。何となく圧倒される。 |
| 畝 うね | 作物を生育させるために土を盛り上げた所。畝はしばしば苗や作物を風による障害から防ぐ目的がある。 |
| 刮目 かつもく | 目をこすってよく見ること。注意して見ること。 |
| 兵糧 ひょうろう |
陣中における軍隊の食糧。転じて、一般に、食糧。
|
| 零す こぼす |
こぼれるようにする。(いっぱいになった)液体や粒状のものを、あふれ出させる。傾けたりして流し出す。漏らし落とす。不平やぐちを、心の中にしまっておけず、口に出す。
|
| 咎める とがめる |
あやまちや罪を指摘し、非難する。なじる。あやしんで問いただす。
|
| 怯む ひるむ | 気力がぬけて、恐れ縮む。威圧されて身がすくむ。 |
| 苦悶 くもん | 苦しみもだえること。 |
| 阿鼻叫喚 あびきょうかん | 人々が苦しみ泣き叫ぶような、非常にむごたらしい状態。 |
| 茫 ぼう |
ひろびろしている。はてしない。ぼんやりしている。とりとめない。
|
| 招聘 しょうへい | 人を丁重(ていちょう)な態度で招くこと。 |
| 反芻 はんすう |
一度飲みこんだ食物を再び口中にもどし、よくかんでからまた飲みこむこと。反芻類の動物(牛など)が行う。転じて、くりかえし考え味わうこと。
|
| 禍々しい まがまがしい | 縁起が悪く、不気味なさまを意味する表現。 忌々しいさまを意味する表現。 |
| 掠める かすめる |
さっと盗み取る。目をごまかす。くらます。
|
| 紙縒り こより | 《「かみより」の音変化した「かうより」の音変化》細く切った紙をひねってひも状にしたもの。 紙をとじたり細工物の材料とする。 かんぜより。 |
| 彷彿 ほうふつ |
見分けにくいほど、よく似ていること。ありありと見えること。ぼんやり見えること。ほのか。かすか。
|
| 相貌 そうぼう |
顔のありさま。人相。容貌(ようぼう)。また、物事のありさま・様子。
|
| 滂沱 ぼうだ |
涙がとめどなく流れ落ちるさま。雨が降りしきるさま。
|
| 嗚咽 おえつ | 声をおさえて泣くこと。むせび泣き。 |
| 曲輪 くるわ | 一定の地域を限って、その周囲と区別するために設けた囲い、つまり城や砦(とりで)の周りに築いた土塁や石垣などをいう。 |
| 竪堀 たてぼり | 山城の周囲の斜面に、城に対して垂直に掘られた堀 |
| 凛然 りんぜん | 寒さのきびしいさま。 凜列(りんれつ)。 いさましくりりしいさま。 心の引き締まるさま |
| 怪訝 けげん | その場の事情などがわからず、納得(なっとく)がいかないさま。いぶかしいさま。 |
| 象嵌 ぞうがん | 象嵌(ぞうがん、象眼とも)は、一つの素材に異質の素材を嵌め込む工芸技法。象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味があり、金工象嵌・木工象嵌・陶象嵌等がある。 |
| 片笑む かたえむ | 片ほおに笑みを浮かべる。 微笑する。 |
| 鬱蒼 うっそう | 草木が青々と茂ったさま。 |
第一章 石工の都
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 鑿 のみ | 木材、石材、金属などに穴を穿ったり、彫刻したりするのに用いる工具。部材に対して尾部をハンマーなどで叩く叩き鑿と、両手で突く突き鑿に大別される。 |
| 鎚 つち | 槌(つち)とは、物を打ち付けたり、潰したりする工具の総称。 |
| 丹田 たんでん | 丹田は、内丹術で気を集めて煉ることにより霊薬の内丹を作り出すための体内の部位。下丹田は東洋医学における関元穴に相当し、へその下3寸に位置する。 |
| 項 うなじ |
首のうしろの部分。首すじ。
|
| 生業 なりわい | 生活を立てるための仕事。家業。職業。 |
| 灰燼 かいじん | 灰と燃えさし。 |
| 邂逅 かいこう | 思いがけなく会うこと。めぐりあい。 |
| 飄々 ひょうひょう | 性格や考え方などが世間一般とは異なっており、とらえどころのない様子を意味する表現。 風が吹く音、またそのさまを意味する表現。 ふらついているさまを意味する表現。 |
| 堅牢 けんろう | (物のつくりが)かたくて丈夫なこと。頑丈なこと。 |
| 甲斐甲斐しく かいがいしく | 動作などがいかにも手ぎわよく、きびきびしているさま。骨身を惜しまずに仕事に打ち込むさま。けなげだ。 |
| 悉く ことごとく | 残らず。すべて。 |
| 些か いささか | ほんのすこし。わずか。 |
| 鷹揚 おうよう | ゆったりとしてこせこせしない様子。おっとりとして上品なこと。 |
| 窮する きゅうする | 行き詰まる。特に、逆境・貧乏・困難などに追い詰められて、苦しむ。 |
| 差配 さはい |
所有主にかわって貸家・貸地などを管理すること。また、その人。差配人。指図してとりさばくこと。
|
| 碌に ろくに | 満足に、十分に、まともに。 |
| 羨望 せんぼう | うらやましく思うこと。 |
| 畏敬 いけい | 心から服しうやまうこと。 |
| 訝しむ いぶかしむ | 怪しいと感じる、疑わしく思う、不審に思う、という意味合いで用いられる語。 |
| 一瞥 いちべつ | ちょっとみること。ちらっと見ること。 |
| 驚愕 きょうがく | 非常に驚くこと。大きな驚き。 |
| 爛々 らんらん | 光りかがやくさま。また、鋭く光るさま。 |
| 憧憬 しょうけい | あこがれること。 |
| 諸肌 もろはだ | 左右両肩の肌。上半身の肌。 |
| 疾風 しっぷう |
速く吹く風。
|
| 能う あたう | できる。 |
| 不逞 ふてい | けしからぬ態度や行い。「―を誇示する」。あたりをはばからず勝手にふるまうさま。 |
| 悠長 ゆうちょう | (急を要するのに)のんびりとして、急ごうともしない様子。 |
| 静謐 せいひつ | 静かで安らかなこと。世の中が穏やかに治まること。太平。 |
| 弛みない たゆみない | よれたところのない。 油断や隙のない。 途絶えることのない。 |
| 野分 のわき | 台風の古称。 |
| 激昂 げきこう | いきり立つこと(急に怒る、感情がこみ上げて興奮する)。激しく怒って興奮すること。 |
| 唐入り からいり | 軍役の義務のない知行(職務を執行すること)のこと。 投降しても朝鮮国王の生活費は保証すると約束したことを意味する。 |
| 屠る ほふる |
敵を打ち負かす。皆殺しにする。打ち滅ぼす。
|
| 逃散 ちょうさん | 逃散とは、日本の中世から近世にかけて行われた農民抵抗の手段、闘争形態である。兆散とも言う。古代の律令時代に本貫から逃れて流浪する逃亡及び律令制解体後に課税に堪えずに単独もしくは数名単位で他の土地に逃れる逃亡・欠落とは区別される。 |
| 衆目 しゅうもく | 多くの人の目。多くの人の観察。 |
| 感慨 かんがい | 物事に感じてしみじみとした気持になること。身にしみて感ずること。 |
| 葺く ふく |
茅(かや)・板・かわら・木の皮などで(屋根を)おおう。軒端(のきば)に草木などをさして飾る。
|
| 撫ぜる | 「なでる」のなまり。 |
| 証左 しょうさ |
証拠。また、証人。
|
| 捻り ひねり |
ひねること。相撲(すもう)では、ひねり倒すわざ。祝儀として出し、または神仏に供えるための、金銭を包んだ紙の上部をひねった形にしたもの。
|
| 衝く つく | とがったものを勢いよく当てるように出す。 |
| 近郷 きんごう | 近くの村里。また、都市に近い村々。 |
| 喫水線 きっすいせん | 船が水上に浮かんでいるときの水面と船体との交線をいう。 |
| 矜持 きょうじ |
自分の能力を信じていだく誇り。プライド。
|
| 喚声 かんせい | さけび声。 |
| 囃し立てる はやしたてる | 盛んにはやすのこと |
| 媼 おうな | 年をとった女。老女。 |
| 綻びる ほころびる |
縫い目がほどける。少し開く。特に、つぼみが開きはじめる。
|
| 見分 けんぶん | 実際に立ち合って、調べ見届けること。 |
| 億劫 おっくう | 物事をするのに気が進まず、面倒くさい気持であること。 |
| 嘆息 たんそく | なげいて、ため息をつくこと。非常になげくこと。 |
| 私怨 しえん |
個人的なうらみ。
|
第二章 懸
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 払暁 ふつぎょう | 夜が明けようとするころ。 あけがた。 |
| 近習 きんじゅ | 公家,武家を通じて主君の側近にあって奉仕する役。 |
| 火焔 かえん | 物が燃えるときの、光や熱を出している部分のこと。 |
| 畿内 きない | 中国,朝鮮,日本で,王城,皇居などのある首都周辺の特別区域の名。 |
| 妻女 さいじょ | つま。妻と娘。 |
| 去就 きょしゅう | 離れ去ることと従うこと。向背。進退。どんな動きをするかという態度。 |
| 窺う うかがう | そっとのぞいて見る。そっと様子を見る。「顔色を―」。様子を見て時機を待ち受ける。 |
| 一縷 いちる | 細糸一本のように今にも絶えそうな。かすかな。 |
| 膾 なます | 切り分けた獣肉や魚肉に調味料を合わせて生食する料理をさす。 |
| 狼狽える | 不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱す。 狼狽(ろうばい)する。うろうろと歩く。 |
| 腰を据える こしをすえる | 腰を落とす。 腰を入れる。他に気を移さないで落ち着いて一つの物事をする。 また、ある場所にすっかり落ち着く。 |
| 項垂れる うなだれる | (心配事・考え事・悲しみ・恥ずかしさのため)首を前にたれる。 |
| 怒気 どき | 怒りの気持(が現れた顔つき)。 |
| 剣呑 けんのん | 危険な感じがするさま。また、不安を覚えるさま。 |
| 英傑 えいけつ |
非常にすぐれている大人物。
|
| 気骨 きこつ | 自分の信ずることを貫こうとし、容易に人に屈服しない、強い心。 |
| 大器 たいき | 人並すぐれた、人物・才能の大きさ。また、大人物。もと、大きな入れ物。 |
| 吼える ほえる |
犬・猛獣などが(大声で)鳴く。声をあげて泣く。どなる。
|
| 陽炎 かげろう | 直射日光で熱せられている地面の上や,焚き火の上などを通して遠くを見たとき,遠方の物体が細かくゆれたり形がゆがんで見える現象。 |
| 石頭 せっとう | 石のようにかたい頭。「―をぶつけられる」。ものの考え方が固定していて融通がきかないこと。そういう人。 |
| 糒 ほしいい | 米を蒸して乾燥させた保存食。 |
| 松脂 まつやに | マツ科マツ属の木から分泌される天然樹脂のこと。主成分はテレビン油とロジン。 |
| 松明 たいまつ | 松の油の多い部分を細く割ったものや、竹・葦などをたばねて火をともすようにしたもの。 たいまつ。 |
| 後詰め ごづめ | 先陣の後方に待機している軍勢。 予備軍。 後手 ごて 。 うしろづめ。 |
| 一気呵成 いっきかせい |
文章などを、ひといきに書き上げること。また、物事を、一気になしとげること。
|
| 野晒し のざらし | 野外で風雨にさらされること。 また、さらされたもの。 |
| 峻嶮 しゅんけん | 山などが高くけわしいこと。 |
| 山麓 さんろく |
山のふもと。山すそ。
|
| 滔々 とうとう | 水や、人の話などが、淀みなくどんどん流れている様子のこと。 |
| 麓 ふもと |
山の下方(の、次第になだらかになった所)。山のすそ。
|
| 趨勢 すうせい |
物事がこれからどうなってゆくかという、ありさま。なりゆき。
|
| 掠め取る かすめとる | 奪い取る。 盗み取る。 掠め奪う。 |
| 件 くだん | 前に述べた事柄を、読者や聞き手がすでに承知しているものとして、さし示す語。その行動、状態などが人々によく知られているものとして、その事柄をさし示す語。 |
| 眉目秀麗 びもくしゅうれい | 容貌がすぐれ、たいへん美しいさま。男性に用いる語。▽「眉目」は眉まゆと目のこと。転じて、顔かたち。「秀麗」はすぐれてうるわしいさま。 |
| 隠居 いんきょ | 戸主が家督を他の者に譲ること。 または家督に限らず、それまであった立場などを他人に譲って、自らは悠々自適の生活を送ることなどを指す。 もしくは、第一線から退くことなど。 隠退(いんたい)とも。 |
| 憤怒 ふんぬ | 激しい怒り・憤り(いきどお-り)のこと。 怒り・憤りを意味する漢語表現。 |
| 唸る うなる |
力を入れて、長く引っ張った低い声を出す。うめく。うなる⑴に似た音が出る。
|
| 喚く わめく | さけぶ。わめく。 |
| 豪傑 ごうけつ |
武勇にすぐれ、力も強く、肝っ玉もすわっている人。俗に、小事にこだわらず思いきったことをする人。
|
| 顰める しかめる | (不快・不機嫌などのため)顔・額の皮をちぢめて、しわを寄せる。 |
| 慇懃 いんぎん | 人に接する物腰が丁寧で礼儀正しいこと。親しい交わり。 |
| 暫く しばし | 長いとまでは言えないが、幾らかの時間。少しの間。やや長い時間を隔てているさま。 |
| 揶揄う からかう | 相手を困らせたり怒らせたりするようなことをして(言って)面白がること。 イジること。 |
| 応報 おうほう | むくい。果報。 |
| 渡河 とか | 河川を渡ること。 特に、戦闘中、徒渉によるか、船または橋により河川を渡ること。 敵前渡河。 |
| 悪巧み わるだくみ | 悪い企み(たくらみ)や謀(はかりごと)などのこと。 |
| 篝火 かがりび | 夜中に貴人を警護したり、漁業で魚を集めたりする時などにたく火。 かがり火。 かがり。 |
| 小休止 しょうきゅうし |
少しの間休むこと。(行軍の途中での)短い休み時間。
|
| 此度 こたび | こたび 。 今回。 このたび。 |
| 叱咤 しった | 相手の非をとがめ、きびしく注意する。 |
| 嘶く いななく | 馬が声高く鳴く。 |
| 轟然 ごうぜん | 大きな音がとどろきひびくさま。 |
| 斉射 せいしゃ | 一斉に射撃すること。 |
| 鉤縄 かぎなわ | 鉤縄とは、縄の先に鉤がついた高所や人に絡ませる道具である。足がかりの無い壁・崖などを登る時や橋のない谷を渡る時、逃亡する容疑者などを捕縛する捕り物道具として使用した。 |
| 眦 まなじり |
《「目 (ま) の後 (しり) 」の意。古くは「まなしり」》目じり。「―をつり上げる」
|
| 肉薄 にくはく | 身をもって相手(敵陣など)に迫ること。 |
| 凄惨 せいさん | 目をそむけたいような、むごたらしい様子。 |
| 嗄れる かれる | 声がかすれて出なくなる。 |
| 耄碌 もうろく | おいぼれること。年が寄ってぼけること。 |
| 最早 もはや | ある事態が実現しようとしているさま。早くも。まさに。ある事態が変えられないところまで進んでいるさま。今となっては。もう。 |
| 覆る くつがえる |
ひっくり返る。裏返し・さかさまになる。打ち倒される。滅びる。
|
| 寡兵 かへい | (敵よりも)小人数の部隊 |
| 悲壮感 ひそうかん | 辛く悲しい中でも健気に立ち振る舞う、という様子を意味する表現。 |
| 礫 つぶて | 投げる小石。 |
| 眼前 がんぜん | 視線の向く前方。「峠(とうげ)に立つと、すばらしい眺めが―に開ける」。目のすぐ前という近いところ。 |
| 精悍 せいかん | (動作や顔だちが)荒々しく鋭いさま。 |
| 殲滅 せんめつ | 残らず滅ぼすこと。皆殺しにすること。 |
| 憤懣 ふんまん | いきどおってもだえること。発散させ切れず心にわだかまる怒り。 |
| 得心 とくしん | 納得すること。十分に承知すること。 |
| 仔細 しさい | 物事のくわしい事情。 |
| 怯む ひるむ | 気力がぬけて、恐れ縮む。威圧されて身がすくむ。 |
| 満身創痍 まんしんそうい | 「全身傷だらけの状態」あるいは「心身ともにボロボロの状態」という意味で用いられる表現のこと。 |
| 眉唾 まゆつば | 「眉唾物(もの)」の略。本当かどうか疑ってかかるべき、あやしい事柄(であること)。 |
| 番える つがえる | 二つのものを組み合わせる。特に、弓を射るために、つるに矢をあてがう。 |
| 射掛ける いかける | 敵に向かって矢を射る。 |
| 燻る くすぶる |
ついている火が炎を立てずに、煙ばかり出している。いぶる。煙のすすで黒くなる。
|
| 潰走 かいそう | 戦いに負けた隊が四分五裂になって逃げること。 |
| 疾駆 しっく | 車や馬に乗って速く走ること。 |
| 咆哮 ほうこう | けものなどが、ほえたけること。 |
| 吐露 とろ | 気持・意見などを隠さずに他人にうちあけ述べること。 |
| 怨嗟 えんさ | うらみなげくこと。 |
| 儚い はかない | 頼みにできる確かなところがない。淡くて消えやすい。「―望み」。無常だ。 |
| 姻戚 いんせき | 結婚によって親類関係となった者。 姻族。 縁家。 |
| 下賜 かし | 身分の高い人からくださること。くだしたまわること。 |
| 無辜 むこ | 何の罪もないこと。 |
| 悠然 ゆうぜん | 落ち着いていて、少しもあわてないさま。心がゆったりとしているさま。悠々。 |
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第三章 矛盾の業
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 武勲 ぶくん |
戦争で立てた功績。武功。
|
| 兵站 へいたん | 軍隊の戦闘力を維持し、作戦を支援するために、戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの整備・補給・修理や、後方連絡線の確保などにあたる機能。 |
| 折り紙付き おりがみつき | 人物に対する評価などについて、そのとおりであると保証できるさま、間違いがないさま、などを意味する表現。 |
| 如才 じょさい | 手抜かり。疎略。 |
| 軋轢 あつれき | 人の仲が悪くあい争うこと。不和。 |
| 存外 ぞんがい | 予想していた以上に。思いのほか。案外。 |
| 儘ならぬ ままならぬ | 思うようにならない。 自由にできない。 ままにならない。 |
| 引き攣る ひきつる | 引っ張られてこわばる。 また、硬直して動かなくなる。痙攣させる。 |
| 凡庸 ぼんよう | すぐれた点がなく、平凡なこと。また、そういう人。凡人。 |
| 陽炎 かげろう | 直射日光で熱せられている地面の上や,焚き火の上などを通して遠くを見たとき,遠方の物体が細かくゆれたり形がゆがんで見える現象。 |
| 庇護 ひご | かばってまもること |
| 命脈 めいみゃく | 生命。いのち。 |
| 与する くみする |
仲間入りする。(賛成して)味方になる。相手にしてあつかいやすい。恐れるに足りない。
|
| 喧伝 けんでん | 世間に言いはやし伝えること。盛んに言いふらすこと。 |
| 寡婦 かふ | 夫と死別又は離別し、再婚していない女性、夫のない独身の女性を意味する。 |
| 赦免 しゃめん | 罪をゆるすこと。 |
| 統べる すべる | 全体を一つにくくる。まとめる。転じて、統率・支配する。 |
| 厚遇 こうぐう | てあつくもてなすこと。 |
| 閨閥 けいばつ | 外戚(妻方の親類)を中心に形成された血縁や婚姻に基づく親族関係、又はそれから成す勢力、共同体、仲間などを指す。 |
| 凌ぐ しのぐ |
加わって来る力・困難をはねのけ、押し伏せる。我慢して切り抜ける。堪え忍ぶ。外力・困難を乗り越える。
|
| 焔めいて | |
| 出来 しゅったい | 事件が持ち上がること。「大事件―」。物ができ上がること。 |
| 棚田 たなだ | 傾斜地にある稲作地のこと。 |
| 茅舎 ぼうしゃ | かやぶきの家。 茅屋。 |
| ばつが悪い | その場・状況の文脈においてその特定の主体の行為・状況が不自然であるか恰好が悪いために、居づらい、気まずい、または場違いな様子。 |
| 砲塔 ほうとう | 火砲の操作員や機構を保護すると同時に、さまざまな方向に照準し発射できるようにする装置である。 |
| 尾栓 びせん | 砲や銃の筒状の部分の末端を密閉する構造のことである。 |
| 捻子 ねじ |
物を締めつけるのに使う、らせん状の溝が刻んであるもの。それに刻まれた凹凸の筋目。ぜんまいを巻く装置。
|
| 廉価 れんか | ねだんが安いこと。 |
| 容易 ようい | 簡単に行えること。たやすいこと。やさしいこと。 |
| 研鑽 けんさん | 学問などを)みがき深めること。 |
| 諳んじる そらんじる | 何も見ないで言えるように覚える。 そらで覚える。 暗記する。 |
| 稀代 きたい | 世にまれなこと。不思議なさま。 |
| 鎬を削る しのぎをけずる | 互いの刀の鎬を削り合うようなはげしい斬り合いをする。 転じて、はげしく争う。 |
| 好敵手 こうてきしゅ | 戦うのによい競争相手。 力量がつりあっていて敵とするのに不足のない者。 好敵。 |
| 纏わる まつわる |
からみつく。つきまとう。ついてはなれない。
|
| 蹴鞠 けまり | 日本の平安時代に流行し、現代まで続く球技の一つ。 2枚の鹿革を馬革で縫い合わせて作る鞠を一定の高さ(身長の2.5倍が限度)で蹴り続け、その回数を競う競技である。 |
| 微発 ちょうはつ | 兵士などを強制的に召しだすこと。 また、召されてでること。 民の所有するものを強制的にとりたてること。 特に軍需物資などを人民から駆り集めることをいう。 |
| 静謐 せいひつ | 静かで安らかなこと。世の中が穏やかに治まること。太平。 |
| 孤児 みなしご | 両親を失った子ども。 みなしご。 また、父のない幼児。 孤子(こし)。 |
| 憚らず はばからず | 周りを気遣ったり遠慮したりといったことがない様子。 「人目を憚らず」「人目も憚らず」などの形で用いることが多い。 |
| 崇敬 すうけい | あがめ、うやまうこと。 |
| 擡げる もたげる | 持ち上げる。 |
| 忌々しい いまいましい | 非常に腹立たしく感じる。しゃくにさわる。けがれを避けて慎むべきである。遠慮すべきである。縁起が悪い。 |
| 完膚なきまで かんぷなきまで | 無傷の部分がないほどに。 徹底的に。 残るところなく。 |
| 仮初 かりそめ |
その時かぎりのこと。しばし。まにあわせ。当座。ふとしたこと。いささか。
|
| 気色ばむ けしきばむ | むっとして怒りを顔にあらわす。 |
| 難攻不落 なんこうふらく | 攻撃がむずかしく、なかなか陥落しないこと。 |
| 饒舌 じょうぜつ | 口数多く(くどく)しゃべること。おしゃべり。 |
| 呻く うめく | 苦しさのあまり、うなる。比喩的に、苦心して詩歌を作り出す。苦吟する。 |
| 死屍累々 ししるいるい | たくさんの死体が折り重なって倒れており、非常にむごたらしいさま。 |
| 朧気 おぼろげ | 確かでないさま。ぼんやり。 |
| 壮麗 そうれい | 規模が大きく、整って美しいこと。 |
| 秀逸 しゅういつ | 他にぬきんでてすぐれていること。そういうもの。 |
| 罷り越す まかりこす | まいる。 |
| 吃驚 きっきょう | おどろくこと。 びっくりすること。 |
| 陪席 ばいせき | 身分の高い人と同席すること。「陪席裁判官」の略。 |
| 大仰 おおぎょう | 大袈裟(おおげさ)なこと。 |
| 宣う のたまう | おっしゃる。 |
| 素っ頓狂 すっとんきょう | 非常にまのぬけたさま。 |
| 介添え かいぞえ | 付き添って色々な世話をすること。 また世話をする人。 |
| 武張る ぶばる | 武術をする人のようにふるまう。武士のように強く勇ましい様子を帯びる。 |
| 論す さとす | 目下の者に物事の道理をよくわかるように話し聞かせる。納得するように教え導く。 |
| 爺むさい じじむさい | 男のようすや服装が(きたならしく)年寄りじみている。 |
| 躊躇う ためらう | 心が迷ってなかなか決心がつかない。 |
| 擡げる もたげる | 持ち上げる。 |
| 侍る はべる | 貴人のそばにつつしんで控える、または仕える。伺候する。 |
| 憚る はばかる | 他に対して恐れつつしむ。遠慮する。いっぱいに広がる。幅をきかす。 |
| 嘆息 たんそく | なげいて、ため息をつくこと。非常になげくこと。 |
| 邂逅 かいこう | 思いがけなく会うこと。めぐりあい。 |
| 倅 せがれ |
自分のむすこを指す、へりくだった言い方。転じて、他人のむすこ、年少の男を、いやしめて表すのにも使う。
|
| 一頻り ひとしきり | いっとき(盛んに)続くこと。しばらくの間。 |
| 瞬く またたく | 上下のまぶたをぱちぱちと開閉する。 めばたく。 またたく。 星や灯火などの光が明滅する。 |
| 遍く あまねく | ひろく。すべてにわたって。 |
| 憂き目 うきめ | つらいこと。苦しい体験。 |
| 儂 わし | 中世の俗語で、自称を表す言葉。 呉語(上海地方の方言)で「我」の意味。 中国の史書では「汝」「彼」などの意味でも用いられている。 |
| 諡 おくりな | 主に帝王・相国などの貴人の死後に奉る、生前の事績への評価に基づく名のことである。 |
| 綻ぶ ほころぶ | 縫い目・とじ目などが解ける。 こらえきれずに、涙が流れる |
| 作事 さくじ | 建築。 |
| 終ぞ ついぞ | 「今まで一度も」「いまだかつて」の意。 |
| 軽口 かるくち | こっけいで面白い話。軽妙な話。口が軽いこと。前後のみさかいなく何でもしゃべってしまうこと。そういう人。 |
| 纏う まとう | まきつく。絡まる。(身に)まきつける。からませる。身につける。 |
| 跫音 きょうおん |
あしおと。
|
| 魘される うなされる | 恐ろしい夢を見たりして、思わず苦しそうな声を出す。 |
| 擂りつぶす すりつぶす | すって細かくする。 すって細かく砕く。 すって形をそこなう。 すってなくす。 |
| 遁走 とんそう | のがれ走ること。にげること。 |
| 誹り そしり | 悪口。 非難。 |
| 凡そ およそ | おおかた。だいたい。あらまし。一般に。おしなべて。まったく。全然。 |
| 自他共に じたともに | 自分も他人もともに認める。 だれでもがそうだと認めている。 |
| 厭う いとう | いやがる。いやがって避ける。きらう。大事にする。かばう。 |
| 逼塞 ひっそく | 八方ふさがりになって方法のたたないこと。おちぶれて、みじめな境遇にあること。 |
| 転封 てんぽう | 知行地、所領を別の場所に移すことである。 国替(くにがえ)、移封(いほう)とほぼ同義である。 |
| 認める したためる | 文章を書き記す。食事をする。 |
| 手筈 てはず | 物事をするため前もって行う準備(の順序)。 |
| 辻 つじ | 道路が十字形に交わる所。四つ辻。十字路。 人が往来する道筋。街頭。 |
| 暗渠 あんきょ | 地下に設けられていて外からは見えない水溝(すいこう)。 |
| 棚田 たなだ | 傾斜地にある稲作地のこと。 |
| 詳らか つまびらか | くわしいこと。事こまかなこと。 |
| 胴木 どうぎ | 太い木材。丸太 (まるた) 。 城壁の上に備えておいて、敵が攻め寄せてきたときに落とす丸太。どうづき。 |
| 干潟 ひがた | 細かい砂や泥がある程度の面積で堆積した潮間帯である。 |
第四章 湖上の城
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 間々ある ままある | よくある、ときどきある、しばしば発生する、などという意味の言い回し |
| 菅笠 すげがさ | 笠の一種で、カサスゲというスゲを材料として縫いつづった笠(縫い笠)の総称。 |
| 鋤 すき | 農作業や土木工事に使用された、地面を掘ったり、土砂などをかき寄せたり、土の中の雑草の根を切るのに使用される道具、農具である。 |
| 箕 み | 米などの穀物の選別の際に殻や塵を取り除くための容器。 |
| 累代 るいだい | 代を重ねること。 代々。 累世。 |
| 根雪 ねゆき | 冬のあいだ積雪状態が続くことを指す用語である。 |
| 網代 あじろ | 網の代わりという意味。 · 定置網の漁場。また、いつも魚群が集まってくる場所。 · 湖や川に柴や竹を細かく立て並べ、魚を簀の中に誘い込んで獲る仕掛け。 |
| 濡れる ぬれる | 物に水が相当にかかる、またはかかってしみ込む。男女が情を通ずる。色事(いろごと)をする。 |
| 礫 こいし・いしころ・つぶて | 堆積学における礫(れき、英: gravel)とは、粒の直径が2mm以上の砕屑物のこと。砂よりも大きい。 |
| 御手 おて | 手、筆跡などの主を敬っていう語。 所有とすること。 また、その物。 |
| 長途 ちょうと | 長いみちのり。 |
| 嵌める はめる | ある形に合うように中に入れておさめるのこと。 |
| 鷹揚 おうよう | ゆったりとしてこせこせしない様子。おっとりとして上品なこと。 |
| 侍女 しじょ | 貴人の側、王族・貴族または上流階級の婦人に個人的に仕えて雑用や身辺の世話をする女性である。小間使いの女、腰元とも言う。 |
| 酔狂 すいきょう | 普通は人のしないようなことを、好んですること。ものずき。 |
| 頗る すこぶる | 普通のまたは予想した程度を越えて。たいそう。大いに。 |
| 瞠目 どうもく | 目をみはること。 |
| 昼餉 ひるげ |
ひるめし。
|
| 慇懃 いんぎん | 人に接する物腰が丁寧で礼儀正しいこと。親しい交わり。 |
| 訥々 とつとつ | 話しぶりが流暢でなく、途切れ途切れの調子で喋る様子を意味する表現。 |
| 来し方 こしかた | 過ぎて来た時。過去。きしかた。 |
| 瓦解 がかい | 屋根の瓦(かわら)の一部が落ちればその余勢で残りも崩れ落ちるように、物事の一部の崩れから全体の組織がこわれてしまうこと。 |
| 喊声 かんせい | 突撃の際の、ときの声。 |
| 慮る おもんぱかる |
よくよく考える。熟慮する。はかりごとを立てる。
|
| 南蛮 なんばん | 四夷のひとつであり、中国大陸を制した朝廷が南方の帰順しない異民族に対して用いた蔑称である。 |
| 唐天竺 からてんじく | 中国とインド。また、非常に遠いところのたとえ。 |
| 齧る かじる | 堅いものを前歯で少しずつそぎ取る。物事の一部分だけを知る。 |
| 容易い たやすい | わけなくできるさま。 易しい。 |
| 目敏い めざとい | (他の人が気づかないうちに)物を目にとめるのがはやい。目がさめやすい。 |
| 燦然 さんぜん | きらきらと光り輝くさま。 |
| 鍬 くわ | 園芸や農作業、土木作業のため、土壌を掘り起こす道具。 |
| 噤む つぐむ | 口をとじて物を言わない。黙る。 |
| 気張る きばる | いきごむ。勇み立つ。がんばる。思い切って多くの金銭を出す。はずむ。 |
| 茹だる うだる | 暑気のため、のぼせ、だるくなる。ぐったりする。 |
| 験担ぎ げんかつぎ | ある物事に対して、以前に良い結果が出た行為を繰り返し行うことで吉兆を推し量ること。 |
| 聲 こえ | 人を含む動物の発声器官(主として口、喉)から発せられる音のことである。 |
| 穿つ うがつ | 穴を)あける。掘る。つきぬく。比喩的に、突き抜けて進む。着ける。はく。 |
| 水飛沫 みずしぶき | 細かく勢いよく飛び散った水。 |
| 囁く ささやく | 小声でものを言う。ひそひそと話す。 |
| 僥倖 ぎょうこう |
偶然に得るしあわせ。
|
| 弛む たゆむ |
心がゆるむ。油断する。
|
| 捗る はかどる |
仕事が順調に仕上がって行く。物事がうまく進む。進捗(しんちょく)する。
|
| 艘 そう |
舟を数える語。舟の総称。
|
| 船縁 ふなべり |
ふなばた。
|
| 訝しい いぶかしい |
不審に思われる。合点(がてん)がいかない。
|
| 囂しい かまびすしい |
やかましい。かしましい。「―・い蝉 (せみ) の鳴き声」「世間の声があれこれと―・い」
|
| 燦々 さんさん |
太陽などの光が明るく輝くさま。
|
| 胸を撫でおろす むねをなでおろす |
安心、安堵すること。 「ほっとする」および「安堵」、「安ど」などとも言う。
|
| ばつが悪い ばつがわるい |
その場・状況の文脈においてその特定の主体の行為・状況が不自然であるか恰好が悪いために、居づらい、気まずい、または場違いな様子。
|
| 咎める とがめる |
あやまちや罪を指摘し、非難する。なじる。あやしんで問いただす。
|
| 腐心 ふしん |
心をいため悩ますこと。苦心。
|
| 樋 とい |
屋根から雨水を集めて地面まで導くための装置。
|
| 訝しい いぶかしい |
不審に思われる。合点(がてん)がいかない。
|
| 身を翻す みをひるがえす |
からだの向きを素早く変える。
|
| 遍く あまねく |
ひろく。すべてにわたって。
|
| 臥所 ふしど |
ねどこ。ねや。
|
第五章 泰平揺る
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 露わ あらわ | はっきりと見えるさま。 まる見え、あるいは、むき出しなさま。 特に、肉体の全部または一部がむき出しのさまにいう。(知覚的に)はっきりしているさま。 |
| 呵々 かか | 大声で笑うさま。 |
| 如何せん いかんせん | どうしようもない(ことに)。「―、人材が足りない」。残念ながら。 |
| 諾々 だくだく | 他人のことばにさからわないで承諾するときに発する語。 はいはい。 |
| 夢現 ゆめうつつ | 夢と現実。夢または現実。 夢なのか現実なのか自分自身ではっきり判断できない状態。きわめておぼろげな様子。 |
| 譫言 うわごと |
高熱などで正気でない時に無意識に口走る言葉。
|
| 費え ついえ |
費用。ものいり。むだな消費。むだづかい。
|
| 祝着 しゅうちゃく | 喜び祝うこと。喜ばしいこと。慶賀。 |
| 相好 そうごう | かおつき。表情。 |
| 眉間 みけん | 眉(まゆ)と眉との間。額の中央。 |
| 焙烙玉 ほうろくだま | 戦国時代の日本で使用されていた火薬を用いた兵器である。 |
| 安穏 あんのん | 何事もなく穏やかなこと。 |
| 相見える あいまみえる | 対面する相手を敬う「会う」の意の謙譲語) お会いする。 お目にかかる。 (敬意がほとんどなく)顔を合わせる。 |
| 閨閥 けいばつ | 「政界・財界・官界や王室・貴族などにおいて、主に妻の親類を中心に結ばれ勢力を持った、人どうしのつながり」との意味をもつ言葉。 |
| 黎明 れいめい | 明け方。転じて、黎明期(れいめいき)とは、ある事柄が形になる前の始まりの時期を表す。 |
| 胡坐 こざ | あぐらを組むこと。あぐら。 |
| 俯く うつむく | 首を少し曲げて頭をたれる。顔を伏せる。 |
| 与する くみする | 仲間入りする。(賛成して)味方になる。―・しやすい 相手にしてあつかいやすい。恐れるに足りない。 |
| 蟄居 ちっきょ | 家の中にひきこもっていること。江戸時代、武士に科した刑罰の一。自宅や一定の場所に閉じ込めて謹慎させたもの。終身のものは永蟄居という。 |
| 糾弾 きゅうだん | 罪状を問いただし、非難すること。 |
| 放逐 ほうちく | (人をその地域・組織などから)追い払うこと。追放。 |
| 拘らず かかわらず | 「こだわらないで」や「強く主張しないで」といった意味。 |
| 古今未曾有 ここんみぞう | 昔から今までにあったためしがないこと。 昔から今までにまだ一度もないこと。 また、そのさま。 |
| 瞑目 めいもく | 目を閉じること。特に、安らかに死ぬことを指す。 |
| 鬢 びん | 頭の左右側面の髪(の生えている部分)。 |
| 篠突く しのつく | 篠を突き立てるように、大粒の雨が激しい勢いで降るさまをたとえていう語。 矢が篠を束ねたように何本もつきささって立っているさまをたとえていう語。 |
| 噤む つぐむ |
口をとじて物を言わない。黙る。
|
| 普請場 ふしんば | 建築工事をしている現場、つまり工事現場、を意味する語。 |
| 蔵出し くらだし | 倉庫に保管してある品物を取り出すこと。 |
| 此方 こなた | こちら側の所。現在に至る時間。過去から現在までの間。このかた。以後。 |
| 席捲 せっけん | むしろ(=席)を巻くように、かたはしから領土を攻め取ること。 |
| 亜流 ありゅう |
第一流の人に追随し、それをまね、独創的でなく劣っていること。またそういう人。エピゴーネン。
|
| 寵児 ちょうじ |
親の愛を一身に受けている子。比喩的に、時流に乗って、もてはやされる人。
|
| 番える つがえる |
二つのものを組み合わせる。特に、弓を射るために、つるに矢をあてがう。
|
| 産後の肥立ち さんごのひだち |
出産した女性の身体が日増しに健康を回復することをいいます。
|
| 天稟 てんぴん |
うまれつきの性質・才能。
|
| 人外 じんがい |
人間の住む世界のそと。
|
| 昵懇 じっこん |
親しくつきあう間柄。懇意。
|
| 麾下 きか |
将軍の旗本(はたもと)。特に、その軍団の指揮者に属する部下(だという関係)。
|
| 長物 ちょうぶつ |
長さの長いもの。長すぎて役に立たないもの。転じて、むだなもの。よけいなもの。
|
| 歪 いびつ |
形がゆがんでいること。
|
| 罷りならん まかりならん |
決してしてはならない。 決して許さない。どうにもならない。 できない。
|
| 却って かえって |
普通に期待されるところとは反対に。むしろ逆に。
|
| 蔑まれる さげすまれる |
相手から低く卑しい者として見られること。 蔑視される。 蔑んだ目で見られる。
|
第六章 礎
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 弾劾 だんがい | 罪状を調べ、あかるみに出すこと。 罪過をあばき訴えること。大統領・大臣・裁判官などのように、特に身分保障を必要とする官吏の非行に対し、国会の訴追によって罷免あるいは処罰をする手続き。 |
| 無闇 むやみ | 前後を考えずにふるまうさま。度を越すさま。 |
| 派する はする | 派遣する。 |
| 猶更 なおさら | 「なお(猶)」を強めた言い方。 いちだんと。 ますます。 |
| 禍々しい まがまがしい | 災いをもたらしそうだ。いまわしい。不吉だ。 |
| 一頻り いとしきり | しばらくの間。 多く、その間に集中して起こる事態を述べるのに用いる。 ひとっきり。 |
| 鬨 とき | 合戦で、士気を鼓舞し、敵に対して戦闘の開始を告げるために発する叫び声。 大将が「えいえい」と発声して全軍が「おう」と声を上げて和し、これを三度繰り返すのを通例とする。 また、戦勝の喜びの表現としても発した。 鬨の声。 |
| 眉根 まゆね | 眉(まゆ)の根もと(みけんに近い方)。また単に、眉。 |
| 嘱望 しょくぼう | 前途・将来に望みをかけること。 |
| 独り言ちた ひとりごちた | 独言(相手がいないのに、自分ひとりでものを言うこと。 人に話しかけるのではなく、無意識にことばが口をついて出ること。 )する。 呟く。 |
| 胆力 たんりょく |
物事を恐れたり気おくれしたりしない気力。度胸。
|
| 督戦 とくせん | 部下を監督激励して戦わせること。 後方にいて、前線の軍を監視すること。 |
| 常套 じょうとう | ありふれた仕方。 |
| 濡れ鼠 ぬれねずみ | ぬれたネズミの毛が、体にはりついてみすぼらしく見えるところから、衣服が体にぴったり付くくらい全身ぬれることをいう。 |
| 業火 ごうか |
仏教で、悪業(あくごう)が身を滅ぼすのを火にたとえていう語。また、罪人を焼き苦しめる地獄の火。
|
| 即ち すなわち | 言いかえれば。とりもなおさず。 |
| 最古参 さいこさん | 最も古くからある職や仕事についていること。 または、その人のこと。 |
| 降る くだる | そのもの全体が低い所に達する。 |
| 腿 もも |
足の、ひざより上の部分。
|
| 鷹揚 おうよう |
ゆったりとしてこせこせしない様子。おっとりとして上品なこと。
|
| 賭し とし |
それが犠牲となることをも覚悟して、といった意味で用いられる表現。 「身命を賭して祖国を守る」などのように用いられる。
|
| 瞼 まぶた |
眼瞼(がんけん)ともいう。 眼球の前面を覆い、上眼瞼(ウワマブタ)と下眼瞼(シタマブタ)とに分かれる
|
| 掻っ捌く かっさばく | 腹などを勢いよく切り裂く。 かききる。 |
| 肝を寒からしめる きもをさむからしめる | 心の奥底からぞっとさせる深い恐怖を抱かせる。 「心胆を寒からしめる」「心肝を寒からしめる」などとも言う。 |
| 杳として ようとして | 暗くて見定めがたいさま。ゆくえ・動静などがはっきりしないこと。 |
| 浅からぬ仲 あさからぬなか | それほど浅くはないさま。 中々に深い様子。 縁故や因縁について言う場合が多い。 |
| つとに | 早く。 |
| 諮る はかる | 他人に意見を求めたり、相談したりすること。 「会議に諮る」「役員会に諮る」といった表現で用いられることが多い |
| 逸る心 はやるこころ | 心が興奮した状態で、物事に対して立派に立ち向かおうと張り切る。 |
| 食む はむ | 食べる。また、飲む。飲食する。俸給などを受ける。 |
| 呼応 こおう | 互いに呼びかわすこと。互いに示し合わせ、相応じて行うこと。先行する一定の語に応じて後ろに特定の語形が来ること。 |
| 湊 みなと |
湾や河口を利用したり防波堤を築いたりして、船が安全に停泊できるようにした所。
|
| 目論む もくろむ | たくらむ。意図する。企てる。 |
| 兵站 へいたん | 軍隊の戦闘力を維持し、作戦を支援するために、戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの整備・補給・修理や、後方連絡線の確保などにあたる機能。 また、その機関。 兵站部。 |
| 破却 はきゃく | 壊してなくすこと。 |
| 夥しい おびただしい | 非常に多い。ひどい。はなはだしい。 |
| 躊躇い ためらい | 物惜しみするさま。 けちなさま。 しみったれ。 躊躇 ちゅうちょ するさま。 |
| 喧噪 けんそう | 人声や物音で騒がしいこと。 |
| 蠟燭 ろうそく | 縒(よ)り糸や紙を縒り合わせたものを芯(しん)にし、蝋やパラフィンを円柱状に成型して灯火に用いるもののこと。 |
| 勤しむ いそしむ | 一所懸命にする。はげむ。 |
| 轍 わだち |
通った車が道に残した車輪の跡。
|
| 濛々 もうもう | 霧・煙・ほこりなどが立ちこめるさま。 「―と砂ぼこりをまき上げる」 心がぼんやりとしているさま。 |
| 雲霞 うんか | 雲やかすみ。 |
第七章 蛍と無双
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 戦端 せんたん |
戦いの糸口・初め。
|
| 要衝 ようしょう |
交通・軍事・通商の上で、大切な地点。
|
| 労せず ろうせず |
特に骨折りすることがないさま。 苦労せず、楽に。 「労する」の否定形。
|
| 侍する じする |
身分の高い人の)そば近く仕える。はべる。
|
| 怜悧 れいり |
頭がよく、りこうなこと。
|
| 埒が明かない らちがあなかい |
物事が解決しないこと、決着がつかないこと、話にならないこと。
|
| 嗤う わらう |
「人を軽視してあざけりわらう」の意味。
|
| 動顛 どうてん |
うつりかわること。 移動・転変すること。 びっくりして度を失うこと。 非常に驚きあわてること。
|
| 嬲る なぶる |
弱い立場の者などを、おもしろ半分に苦しめたり、もてあそんだりする。
|
| 憫笑 びんしょう |
あわれみさげすんで笑うこと。
|
| 周旋 しゅうせん |
売買・交渉などで、当事者間に立って世話をすること。とりもち。なかだち。 事をとり行うために動きまわること。面倒をみること。
|
| 一顧 いっこ |
ちょっと振り返って目にとめること。
|
| 巌 いわお |
高く突き出た大きな岩。
|
| 体躯 たいく |
からだ。 からだつき。 体格
|
| 虎髭 とらひげ |
虎のひげのように、毛がこわく突っ張った口ひげのこと。
|
| 英邁 えいまい |
才知が衆にぬきんでていること。
|
| 憤懣 ふんまん |
いきどおってもだえること。発散させ切れず心にわだかまる怒り。
|
| 心血 しんけつ |
精神と肉体すべて。出せる限りの精神力。最善の努力。
|
| 攫う さらう |
不意に奪い去る。「金を―・って逃げる」「子供を―」。(その場にあるものを)全部持ち去る。
|
| 膠着 こうちゃく |
にかわで付けたように、粘りつくこと。ある状態が固定して、動きがなくなること。
|
| 讒言 ざんげん |
他人をおとしいれるため、ありもしない事を目上の人に告げ、その人を悪く言うこと。
|
| 歯痒い はがゆい |
人のすることをはたで見ていて)物足らず、じれったい。もどかしい。
|
| 鼻梁 びりょう |
はなすじ。はなばしら。
|
| 帷幕 いばく |
本陣で、作戦を図る所。高等司令部。
|
| 押し捲る おしまくる |
重ねてある物や巻物をどんどん取り出す。 一方的に押す。 ひたすら相手を圧倒する。
|
| 妬む ねたむ |
他人の仕合わせや長所を強くうらやんで憎む。
|
| 侍従 しじゅう |
天皇の側にはべること。 主君に近侍すること。 令制で、中務省の官人。 天皇に近侍して護衛し、その用をつとめる。
|
| 訝しい いぶかしい |
不審に思われる。合点(がてん)がいかない
|
| 覿面 てきめん |
ある事の効果・報いが(目の前で)すぐにはっきり現れるさま。
|
| 破砕槌 はじょうつい |
城門や城壁を破壊し、突破することを目的とした攻城兵器。
|
| 宥める なだめる |
事が荒立たないように、怒っている人、くやしがっている人などをたしなめたり慰めたりする。穏やかに済むようにとりなす。
|
| 引き鉦 ひきがね |
陣鐘(じんがね)の一つ。合戦で軍勢を引きあげる合図に打ち鳴らす鐘。
|
| 鬱屈 うっくつ |
気が晴れないでふさぎこむこと。
|
| 頗る すこぶる | 普通のまたは予想した程度を越えて。たいそう。大いに。 |
| 出端 ではな | 出ようとする途端。し始めようとする途端。 |
| 這う這うの体 ほうほうのてい | 大変な目に合って、慌ててやっとのことで逃げたり、立ち去ったりする様子。 |
| 緒戦 しょせん | 戦争が始まったばかりのころの戦闘。また、試合や勝負のはじめの段階。最初の戦いや試合。 |
| 見紛う みまがう | 似ている他の物に見あやまる。 |
| 陥落 かんらく | おちいること。おちこむこと。攻めおとされること。征服されること。 |
| 及び腰 およびごし | やや腰をまげ、手を伸ばして物を取ろうとする、不安定な姿勢。比喩的に、自信ややる気のない態度。 |
| 寄せ手 よせて | 攻め寄せる軍勢。 寄足。 |
| 符合 ふごう | よく合致すること。 |
| 苦虫を噛み潰したよう にがむしをつぶしたよう | ひどくにがにがしい顔をするようす。不愉快そうな顔つき。 |
| 色めき立つ いろめきたつ | 緊張や興奮などによりどよめきが起こるさまなどを意味する表現。 |
| 齟齬 そご | 意見や事柄が、くいちがって、合わないこと。くいちがい。 |
| 献策 けんさく | 計略・計画などを上の者に申し述べること。 |
| 凡将 ぼんしょう | 武人としてのすぐれた武勲や功績を特に持たない平凡な将軍。 |
| 憂慮 ゆうりょ | 非常に心配すること、非常に懸念すること、憂い慮ること、などの意味の表現。 |
| 茫然自失 ぼうぜんじしつ | あっけにとられて、我を忘れてしまうこと。 |
| 忸怩 じくじ | 深く恥じ入るさま。 |
| 背に腹は代えられない せにはらはかえられない | 事態が切迫すると、肝心なものを守るために、相当な犠牲をはらうのもやむをえないことのたとえ。 不本意でも、ほかに選択肢がないことを強く示唆する。 |
| 道程 どうてい | ある地に行き着くまでの距離。 みちのり。 また、物事が変化していく過程。 |
| 粟立つ あわだつ | 寒さ・恐ろしさのために毛穴が粟粒(あわつぶ)のようにふくれる。身の毛がよだつ。鳥肌だつ。 |
| 長大 ちょうだい | 長くて大きいこと。たけが高く大きいこと。 |
| 手ぐすねを引いて待つ てぐすねをひいてまつ | 合戦の前、十分な態勢で待ち構えるために、薬煉を手に取り弓の弦に塗ることから、十分に準備して機会を待つことを「手ぐすね引いて待つ」と言うようになった。 |
| 稜線 りょうせん |
峰から峰へと続く線。山の尾根。
|
| 挫く くじく | 異常な力がかかって、関節部を痛める。勢いをそいで弱くする。 |
| 梃子 てこ | 棒の途中に置いた支点を中心に棒が自由に回転して、小さい力を大きな力に、小さい動きを大きな動きに変える仕組み。 |
| 垂涎 すいぜん | 涎(よだれ)をたらすこと。 また、たれた涎。 ある物を手に入れたいと強く思うこと。 |
| 曇天 どんてん | くもり空。くもった天気。また、その日。くもり。 |
| 滲む にじむ | 絵の具・染色・墨・油などが溶けて、紙・布地などに輪郭をぼかして広がる。 |
| 棹立ち さおだち |
馬などがあと足でまっすぐに立ち上がること。棒立ち。
|
| 生返事 なまへんじ |
気ののらない時などにする、いい加減な返事。
|
| 閂 かんぬき |
門や出入口などの扉を閉じて内側から固めるための横木。
|
| 疎ら まばら |
間があいて、ばらばらとあること。
|
| 知己 ちき |
自分の心をよく知ってくれる人。また、単に知合い。知人。
|
| 霧散 むさん | 霧が散るように、あとかたもなく消え去ること。 |
| 物頭 ものがしら | 戦国・江戸時代の武家の職名あるいは格式の一つ。 一般に歩兵の足軽,同心などからなる槍(長柄(ながえ))組,弓組,鉄砲組などの頭(足軽大将)をいう。 |
第八章 雷の砲
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 所以 ゆえん | わけ。いわれ。根拠。 |
| 一両日 いちりょうじつ | 「1日」と「両日(2日)」という二つの期間から成り立っていることから、「一両日中」は「1日から2日の間に」という意味になります。 |
| 否が応でも いやがおうでも | 承知でも不承知でも。どうしても。なにがなんでも。 |
| 一抹の不安 いちまつのふあん | ほんの少しだけ解消されずに残っている、不安の念、または不安要素。 |
| すわ | 突然の重大事に驚いて出す声。それっ。 |
| 摩利支天 まりしんてん | 陽炎(かげろう)と訳す) 仏語。 陽炎の神格化で、身を隠して障礙を除き、つねに日に仕えるとしてインドの民間に信仰された神。 |
| 覚束ない おぼつかない | うまく運ぶかどうか疑わしい。たよりない。心もとない。 |
| 滅法 めっぽう | 並々でないこと。度はずれていること。法外。 |
| 慧眼 けいがん | 物事の本質や裏面を見抜く、すぐれた眼力。 |
| 寝ぼけ眼 ねぼけまなこ | 寝ぼけた目つき。 |
| 智謀 ちぼう |
知恵にあふれる、うまい計略。
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| 意気地 いきじ |
他と張り合って、自分の思う事をどうしても通そうとする気持。
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| 朧気 おぼろげ |
確かでないさま。ぼんやり。
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| 壮年 そうねん |
社会的に重責を担う働き盛りの時期である。 概ね生産年齢人口に属する年齢層のうち中盤から後半にかけての年齢層に相当する。
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| 擲つ なげうつ |
投げつける。投げ捨てる。惜しげもなく差し出す。
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| 婿 むこ |
むすめの夫。
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| 矢継ぎ早に やつぎばやに |
続けざまに、連続してどんどん、などの意味の表現。 矢継ぎ早。
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| 跨る またがる |
跨がる 足を広げ、乗り物を両足の間に挟む形で乗ること。
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| 欹てる そばだてる |
物の一端を高く持ち上げる。転じて、注意力を集中する。
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| 狼煙 のろし |
物を焼くことで煙を上げ、それを離れたところから確認することによって、情報を伝達する手段である。 夜間など煙が見えない場合は、火そのものも使われる。
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| 沈痛 ちんつう |
悲しみや心配事に沈んで、胸を痛めるさま
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| 凡愚 ぼんぐ |
平凡で、取り立てて利口だとは言えない人・状態。
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| 掻き毟る かきむしる |
つめや指先でひっかくようにしてちぎりとる。また、むやみにひっかく。
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| 些少 さしょう |
取り立てて言うに及ばないほど、少しの分量であること。わずか。
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| 下賤 げせん | 身分や生活が非常に低いこと。 |
| 伝播 でんぱ | 伝わり広がって行くこと。広い範囲に伝わること。「稲作の―」。特に波動が広がって行くこと。 |
| 慄く おののく | 恐怖や興奮などで身体が震える思いをする。 身体をわななかせる。 戦慄する。 |
| 浮足立つ うきあしだつ | 不安や恐れで落ち着きを失う。逃げ腰になる。俗に、期待で浮かれた気持ちになり、そわそわする。 |
| 凛乎 りんこ | 寒さの厳しいさま。 心のおそれるさま。 |
| 塩梅 あんばい |
料理の味加減。ぐあい。ほどあい。
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| 柄杓 ひしゃく | 水や汁物を掬うための道具。柄がついた器状をしている。 |
| 息吹 いぶき |
いき。呼吸。いきづかい。
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| 臥竜 がりょう | 横に伏している竜。隠れて世に知られていない大人物のたとえ。 |
| 儚い はかない | 頼みにできる確かなところがない。淡くて消えやすい。「―望み」。無常だ。 |
| 嘯く うそぶく | 大きな事を言う。豪語(意気さかんに大きなことを言うこと。大言壮語。)する。とぼけて知らん顔をする。 |
| 鵺 ぬえ | 近衛天皇の時,源頼政が禁中で射落としたという怪獣。 頭はサル,体はタヌキ,尾はヘビ,四肢はトラで,トラツグミに似た陰気な声で鳴くと《平家物語》にある。 転じて正体のはっきりしないさまをいう。 |
| 入母屋 いりもや | 屋根形式の一つ。 上部が切妻屋根のように二方へ傾斜し,下部は寄棟(よせむね)のように四方に傾斜するもの。 切妻と異なり四つの軒をもつので,寄棟とともに四阿(あずまや)とも呼んだ。 |
| 破風 はふ | 屋根の妻側の端の部分のことを指します。 そして、そこに取り付けられている板のことを破風板と言います。 |
| 呻く うめく | 苦しさのあまり、うなる。比喩的に、苦心して詩歌を作り出す。苦吟する。 |
| 粉叫 ふんきゅう | 乱れもつれること。 ごたごたすること。 紛乱。 |
| 比翼 ひよく | 二羽の鳥が互いにそのつばさを並べること。二枚重ねたように見せるため、着物の裾(すそ)・袖(そで)などを二重にすること。ひよくじたて。 |
| 撓む たわむ | 棒・枝などに力が加えられて、そり曲がった状態になる。しなう。 |
| 断末魔 だんまつま | 死にぎわの苦痛。また単に、死にぎわ。 |
| 窄む すぼむ | ちぢんで狭くなる。 |
| 劈く つんざく | はげしい勢いでさく。 |
| 異口同音 いくどうおん |
多くの人がみな、口をそろえて同じことを言うこと。意見が一致すること。
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| 侃々諤々 かんかんがくがく | 多くの人が集まってうるさく議論するという意味のこと。 有益で実りのある会議というよりは、騒がしくまとまりがない話し合いのさまを表すのに用いられる。 語源として、「侃々」は会話がやかましい状態をいい、「諤々」は遠慮せずに直言する事をいう。 |
| 乾坤一擲 けんこんいってき |
運命をかけて、のるかそるかの勝負をすること。
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| 昂然 こうぜん | 自分の能力や行き方に自信・誇りをもち、意気が盛んなさま。 |
| 倣う ならう | ある事を見本として、それに従う。まねる。 |
| 一縷の望み いちるののぞみ | ごくわずかな望み。 「一縷」とは糸のひとすじを表す語。 |
| 茫洋 ぼうよう | ひろびろとしたさま。また、目当てがつかないさま。 |
| 変心 へんしん | 心を他の事、他の考え方に移すこと。心変わり。 |
| 敢行 かんこう | 無理・障害を承知の上で、あえてすること。 |
| 波濤 はとう | うねる大波。 |
| 潰える ついえる | 計画・希望・勢いなどが)くずれてだめになる。戦いに負けて総くずれになる。 |
| 孕む はらむ | 女、または高等動物の雌が、腹に子を宿す。妊娠する。植物の穂が出ようとしてふくらむ。 |
| 蹂躙 じゅうりん | ふみにじること。暴力的に侵すこと |
| 藁にも縋る わらにもすがる | どんなに頼りないものでも、この際だから当てにする、といった意味の言い回し。 窮地に陥って普段は頼らないようなものに頼るといったことを指す言い方。 |
| 深淵 しんえん | 川などの深い所。 深潭(しんたん)。 比喩的にも用いる。 ② (形動) 物事の奥深いこと。 |
| 動悸 どうき | 自分の心臓の拍動(心拍、ドキドキという動き)に敏感になって、不快感や違和感を自覚する状態のこと。 |
| 身じろぎ みじろき | 全く動かずに、体を動かすことなく、などの意味の表現。 「身じろぎ」は体を動かす、という意味。 |
| 切妻 きりづま | 棟の線を頂として,その左右に四角形の面をふき下ろしてできる屋根の形。 |
| 橇 かんじき | 雪上を歩くために靴などの下につけるもの/そり/雪の上などを滑らせて走る乗り物などの意味をもつ漢字。 |
| 諳んじる そらんじる | 何も見ないで言えるように覚える。 そらで覚える。 暗記する。 |
| 竦める すくめる | すくむようにする。ちぢめる。押さえつける。 |
| 高欄 こうらん |
欄干(らんかん)。橋または建物の縁側、廊下、階段などの側辺に縦横に材を渡して人の墜落を防ぐもの。 装飾を兼ねるものもある。「手すり」「おばしま」ともいう。
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| 喚く おめく | さけぶ。わめく。 |
| 花頭窓 かとうまど | 窓の形状による名称のひとつで、上部が尖頭アーチ状の窓のことです。 花頭窓は、華頭、火頭、花灯、華灯、火灯、瓦灯、架灯などとも書かれます。 |
| 累が及ぶ るいがおよぶ | (悪影響や迷惑などの)関わりが及ぶということ。 他から災いがふりかかる、巻き添えを食う、とばっちりを受ける時などに使います。 |
| 悲愴 ひそう | 悲しくいたましいこと。 また、そのさま。 悲傷。 |
| 痛罵 つうば | 手ひどくののしること。 |
| 坩堝 るつぼ | 金属をとかすのに使うつぼ。 |
| 蹌踉めく よろめく | よろめく・よろける——「目まいがして一瞬よろめいた(よろけた)」では両語とも相通じて用いられる。 |
| 気炎 きえん | (燃え上がるような)さかんな意気(を発した言葉、時には大言壮語)。 |
| 犇めき合う ひしめきあう | 目が合ったらお互い意味もなく笑い合う。 |
| 妖 あやかし | 怪しいもの・妖怪変化。 |
| 靄 もや | 大気中に低く立ちこめた、薄い霧や煙霧。 |
| 蹲う つくばう | うずくまる。しゃがむ。 |
| 身を挺する みをていする | 身を投げ出し、人に先んじて事にあたる。 率先する。 |
| 噎せ返る むせかえる | ひどく、むせる。激しくむせび泣く。 |
| 翔ける かける | やや文学的な言い方で、広大な空を自由に移動する意。 主体は、広い天空を自由に移動できそうな、優れた能力を持つ想像上の動物などについていう。 したがって、「すずめが空を翔る」というような言い方はせず、また、航空機などの乗り物についても、普通は使わない。 |
| 出立 しゅったつ | 旅立ち。出発すること。 |
| 権化 ごんげ | 仏・菩薩(ぼさつ)が衆生済度(しゅじょうさいど)のため、この世に仮(=権)の姿で化現(けげん)すること。また、その時の化身(けしん)。権現(ごんげん)。 |
| 漫然 まんぜん | これという目的や意識を持たず、とりとめのないさま。ぼんやり。 |
| 大層 たいそう | 程度が著しいさま。 |
| 颯爽 さっそう | 人の姿・態度・行動が、さわやかで勇ましいさま。 |
| 機巧 きこう | 巧みな装置。細かい仕組み。からくり。 |
| 十把一絡げ じっぱひとからげ | さまざまな種類のものを区別することなくひとまとめにすることです。 「十把」とは束が十あるという意味で、それを一つにまとめることを表しています。 |
| 無辜 むこ | 何の罪もないこと。 |
| 鑢 やすり |
棒状・板状の鋼(はがね)の表面に目(=小さい突起)を刻み、焼入れをしたもの。金属仕上げ用の工具、謄写版原紙に字を書くときの下敷きなど。
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第九章 塞王の楯
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 強か したたか | なかなか手ごわいこと。ひとすじなわでは相手にできないこと。強く。ひどく。 |
| 筵 むしろ | 敷物。 座席。 |
| 横臥 おうが | 横(向き)に寝ること。 |
| 蠢く うごめく | いもむしがはったり、うじが集まって動いたりするように)もぐもぐ動く。 |
| 厩舎 きゅうしゃ | 牛や馬を飼う小屋。 うまや。 競馬で、馬主から競走馬を預かり、調教・管理をする所。 |
| 嚮導 きょうどう | 先だちをして案内すること。またその人。道案内。 |
| 生殺与奪 せいさつよだつ | 生かしたり殺したり、与えたり奪ったり、すなわち、どうしようと自分の思うままであること。 |
| 決然 けつぜん | 覚悟を決めたさま。強く決心したさま。 |
| 仕儀 しぎ | 事のなりゆき。次第。事情。 |
| 矜持 きょうじ |
自分の能力を信じていだく誇り。プライド。
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| 旗指物 はたさしもの | 戦国時代以降の武士が、戦場において自らの存在や所属などを示すために身に着けていた旗のことです。 |
| 軋む きしむ | 固い物と物とが強くこすれ合って、音を出す。 |
| 俄か にわか | 急に、不意に、突然、などの意味の言い回し。 |
| 揮う ふるう | ふり動かして働かす。 |
| 蕩ける とろける | ろう・金属など)固体が、とけてどろどろになる。心のしまりを失い、だらしなくなる。 |
| 疲労困憊 ひろうこんぱい | 疲れ果ててくたくたになること。 ひどく疲れて苦しむこと。 |
| 雁 がん | カモ目カモ科ガン亜科の水鳥のうち、カモより大きくハクチョウより小さい一群の総称。 |
| 賢しら さかしら | 利口ぶること。わかったふりをして出過ぎた振舞をすること。 |
| 蔑む さげすむ | あなどり軽んずる。見さげる。見くだす。軽蔑(けいべつ)する。 |
| 踏み桟 ふみさん | 梯子(はしご)などの足を掛けて踏むところ。 |
| 黄昏 たそがれ | 薄暗くなった夕方。夕ぐれ。比喩的に、盛りを過ぎ、勢いが衰えるころの意にも使う。 |
| 矍鑠 かくしゃく | 年をとっても、丈夫で元気のいい様子。 |
| くゆらす | 煙を(ゆるやかに)立てる。 |
第十章 終
| ワード | 意味 |
|---|---|
| 転封 てんぽう | 江戸時代、幕府の命令で、大名の領地を他に移すこと。 移封。 国替え。 |
| 面目躍如 めんもくやくじょ | 世間に対して顔が立って、生き生きとした様子。 世間の評価や地位にふさわしい活躍をする様子。 |